訪問看護師になるための看護マニュアル

パウチの交換

ストーマの装具の交換については、便の性状や季節、装具の種類、ライフスタイルなどによって個人差があり、
3〜5日に一回程度の交換が目安になります。

 

交換の頻度は、貯まった便の量がパウチの3分の1になったら交換します。

パウチ交換の必要物品

パウチ交換に必要な物品は、ストーマ袋、ペースト・パテなどの練状皮膚保護材や粉状皮膚保護材、
石けん、薬用洗浄料、洗面器、微温湯、筆記用具、ハサミ、定規、ティッシュペーパー、清拭用の布、ゴミ袋などです。

パウチ交換の手順

  1. パウチは微温湯で濡らしながらゆっくりはがします。剥がしにくいときは、剥離材を用います。
  2. ストーマ周囲に付着した便をティッシュペーパーでふき取りながら、ストーマの観察、周囲の皮膚を観察します。
  3. ストーマ周囲を刺激が少ない皮膚洗浄剤や弱酸性の石けんを使用して洗います。石けんは拭き取るか、微温湯で洗い流し、皮膚を十分に乾燥させます。
  4. ストーマを観察し、周囲の皮膚に発疹や表皮剥離がないかどうかを確認します。
  5. ストーマの大きさに合わせて面板をかっとします。フランジは看護師のポケットに入れておき、貼る直前に手で温めると剥がれにくくなります。
  6. 皮膚保護のためのパウダーを塗布します。
  7. しわがよらないようにパウダーを馴染ませ、パウチを貼り付けます。
  8. パウチを貼り付けた状態で、皮膚にシワがないかどうか、確実に装着できたかどうかを確認します。

ストーマの在宅伝ケアと援助

ストーマはトラブルの対処法をマスターすると、
ストーマがあっても患者さんは日常生活を不自由なく送ることができます。

 

セルフケア指導でも、漏れないための装着方法をしっかり理解してもらいます。

 

ストーマケアにおいて専門的な支援が必要な患者さんに対しては、
「創傷・オストミー・失禁看護(WOC)認定看護師」と連携や連絡をとることができるようにしておきます。

 

心理的な不安にもいつでも対応できるような連携が必要です

オストメイトのセルフケアの確立

看護師は、オストメイトにセルフケアを促す必要があります。
ですが、オストメイトは高齢であったり、病状が変化することもあり、
ストーマケアの自立が難しくなる場合もあります。
ですから、オストメイトの家族にも、生活の調整、異常時の対処方法などを指導しておきます。

オストメイトとは
オストメイト(Ostomte)とは、病気などが原因で、

腹壁に人工肛門や人工膀胱を設置した人(ストーマを持っている人)の国際的な名称です。
ストーマは、排泄を自分でコントロールできません。
そのため、おなかに装具をつけて、便や尿をため、処理をしています。

排泄経路の変更に伴う心理的ケア

排泄経路の変更は、オストメイトにとって大きな心理的重圧となります。
日常生活への復帰は、簡単なことではなく、
家族にとってもストーマの受容やオストメイトへの対応などの問題が発生します。

 

看護師はこのような心理的な問題に関する相談にのり、
適切なアドバイスをしていくことが大切です。

ストーマやストーマ周囲の皮膚管理

パウチ内に便が貯まりすぎると、漏れや皮膚トラブルの原因になります。
ストーマ造設では、皮膚障害の発生頻度が高くなるため、
オストメイトだけでなく、家族や介護者にも皮膚障害の予防や異常に対する観察や対処法を指導する必要があります。

ストーマの合併症

合併症が考えられる場合には、早期に主治医に報告して対応することが大切です。

 

ストーマ増設は、セルフケアの確立を目的としている場合、
介護者と共に行う事が前提の高齢でセルフケアの確立が困難な場合、
終末期や緩和目的による場合など、様々な状況があります。
そのため、合併症の看護は、個々のケースに応じた適切な看護介入を必要とします。

 

訪問看護師は、合併症の原因をアセスメントして、
合併症の予防が困難な場合には、今後起こりうることを予測し、
適宜医師と連携し対処法を検討することが必要で、
オストメイトや家族、介護者への指導を行うことが必要です。

 

ストーマの合併症には、術後早期から発症する早期合併症と、
容態が安定した頃に生じる晩期合併症があります。

 

@ 早期合併症

 

早期合併症には、浮腫、血流障害、壊死、粘膜皮膚離開、脱落、ストーマ周囲膿瘍、粘膜皮膚移植などがあります。

 

A 晩期合併症

 

晩期合併症には、狭窄、脱出、ストーマ傍ヘルニア(壊死)、陥没、陥凹、装置による損傷、自家感作性皮膚炎、壊疽性膿皮症、偽上皮腫性肥厚(PEH)、ストーマ静脈瘤などがあります。