訪問看護師になるための看護マニュアル

嚥下障害患者さんへの日常生活にかかわる指導

以下のような症状が現れた場合は医師に報告し、
嚥下障害の原因や評価を行います。

 

@ 37℃以上の発熱。

 

A 肺野の雑音など、胸部聴診上の異常。

 

B 呼吸状態の変化。

 

C CRP値の上昇など炎症反応。

 

D 咽頭違和感、食べ物の残留・残留感。

 

E 体重の変化(体重測定をする、家族に痩せていないかを聞く)。

 

このような症状が現れたときには医師に報告します。
そして、嚥下訓練を続けるかどうかを患者さんや家族、看護師、医師で相談し、
経管栄養を導入していくかどうかを検討します。

口腔ケア

@ 体位
口腔ケアをするときの体位は、安全にケアをすることができるように安定した体位にします。

 

椅子に座ることができる場合は枕などを使って頭部の安定を図ります。

 

ベッド上で口腔ケアを行う場合は、ギャッチアップ30°で
セミファウラー位とし、舌が地面と併行になるようにします。

 

片麻痺のあるひとは、麻痺側を上にし、誤嚥を予防しながら行います。

 

頭部は前屈位とします。

A 必要物品
口腔ケアをするときの必要物品とは、

歯ブラシ、ガーグルペースン、口腔用剤(イソジンなど)、タオルなどです。

 

ガーグルペースンは、洗面器やパック容器、カップ麺の空き容器で代用することもできます。

 

開口ができないときには、歯ブラシなどの柄の部分にガーゼをまいて、
それをかませます。

B 口腔ケアの指導のポイント
(1) 意識障害がある場合

意識障害がある患者さんに対する口腔ケアを行う時には、
特に汚れやすい口蓋、口蓋弓、舌、歯の裏側をしっかり観察しながら行います。

 

開口ができないときには、
口腔周辺筋をマッサージしてリラクセーションをはかり、
その後、口唇から人差し指を歯列に合わせて居れ、歯茎部を触ります。
緊張がほぐれてきたら、頬側の面をブラッシングし、
その後、舌側をブラッシングします。

 

患者さんは疲れやすい状態にあるので、
なるべく短時間で行うことができるように工夫します。

 

(2) 口腔乾燥がある場合

 

口腔乾燥がある場合は、患者さんの粘膜面は傷つきやすくなっています。
軟らかめの歯ブラシを使ってケアします。

 

口腔内の汚れた部分に、オリーブ油や白ゴマ油、人工唾液のサリペートなどを使用して
綿棒で塗布します。

 

汚れが軟化したらガーゼや歯ブラシを使用して優しく汚れを取り除きます。

 

仕上げにトゥースエッテやクルリーナなどのスポンジブラシで口腔全体の清掃をします。

 

(3) 舌苔がある場合

 

白血球や食べ物の残渣が蓄積したものを舌苔といいます。

 

舌苔のケアをするときには、粘膜を傷つけやすいので、
柔らかめの歯ブラシを使用します。

 

舌苔が厚く、乾燥気味の場合は、
オリーブ油や白ゴマ油、人工唾液のサリペートなどを使用して
綿棒で数回塗布し、軟化したらガーゼで除去します。

 

吐き気を誘発する事もあるので、注意しながらブラッシングします。

 

(4) 口腔内が出血しやすい場合

 

口腔内が出血しやすい場合は、血小板や凝固因子などの全身的な問題がないかどうかを確認し、
問題がなければ軟らかめの歯ブラシを使用して軽くブラッシングし、歯垢を除去していきます。