訪問看護師になるための看護マニュアル

栄養剤の注入方法の指導

栄養剤の作り方や温め方、注入方法などについて指導します。
注入方法は、注入速度の調整や水分補給、薬物の注入などです。

 

栄養剤の温め方やミキシングは、家庭にあるものを利用して行うことができるよう指導します。

 

図入りのマニュアルを作成し、介護者が理解しやすいようすると便利です。

 

注入用バッグの設置位置や方法など、家庭の状況にあったものを具体的に検討して指導します。

経鼻栄養チューブの挿入方法

栄養チューブの挿入は、介護者の理解のレベルに合わせて指導します。
可能であれば、入院中に介護者に、経鼻栄養チューブの挿入方法について指導することが望ましいです。
入院中に指導できない場合は、退院後、介護状況や介護者の能力にあった方法で、
無理のない様に進めていきます。

 

栄養チューブの挿入を看護師や介護者が行う場合は、
医師に挿入の長さなどの指示を事前に受けておき、
挿入しにくい状況がある場合には、医師に報告して挿入してもらいます。

経鼻栄養チューブのトラブル対処について

チューブの抜去屋閉塞など、具体的に予測されるトラブルに関しては、
事前に説明し、対処法を介護者に指導しておきます。

気道内分泌の増量

経鼻栄養を実施していると、気道内分泌が増量することがあります。
その原因としては、「チューブを挿入していることによる上気道への刺激や炎症の出現。」や、
「チューブを伝わって栄養剤が咽頭まで逆流してしまう。」、
「チューブが胃内に挿入されていない状態で栄養剤が注入された。」などが考えられます。

 

チューブが確実に胃内に挿入されていることを栄養注入前に確認することが大切ですし、
注入時の体位は、頭部を40度以上拳上し、腹圧がかからない体位にする事も必要です。

 

また、気道内分泌の増量がある場合は、
一回の注入量を少なくすることや、さらにゆっくり時間をかけて注入することで、
胃の内容物の逆流を避けることができます。
また、ゆっくり時間をかけて注入することは、
嘔吐や下痢・腹痛の改善もできるため、無理のない速さでゆっくり注入していくようにします。

 

気道内分泌の増量によって、誤嚥性肺炎を発症する危険性が考えられる場合は、
原因を究明し、胃瘻や腸瘻による栄養法を検討します。

下痢

経鼻栄養を実施していると、消化管の炎症によって下痢が起きることがあります。

 

下痢の原因としては、その患者さんにとって栄養剤が不適切の場合、
栄養物の濃度や溶解の状態、鮮度、チューブや注入回路の衛生状態、
栄養物の注入速度が速すぎるというようなことが考えられます。

 

下痢の原因として頻度が高いのは、細菌感染です。
栄養剤やイリゲーターの取り扱いの不備によるものが多いです。

 

細菌感染の予防策としては、イリゲーターを十分に洗浄し消毒することや、
栄養剤開封後はラップで覆って冷蔵庫に保管し、24時間以内に使い切ることを指導します。

 

また、浸透圧が原因の場合の下痢は、
注入速度を遅くすることによって症状が改善されます。

便秘

経鼻栄養を実施していると、便秘になる事もあります。

 

便秘の原因としては、注入水分の不足、不適切な注入内容などが考えられます。

 

栄養剤自体が、消化・吸収されやすくなっているので、
残渣が少ないことが便秘の原因となっている事も多いです。

 

便秘の解消法としては、ベッド上での生活で
身体を動かすことが困難な患者さんに対しては腹部マッサージなどを行い、
定期的に下剤を使ったり、浣腸をしたり、摘便をして便秘の解消をしていきます。

腹痛や腹部膨満、悪心や嘔吐

不適切な速度で栄養剤が注入されたり、排便コントロールがうまくいかないと、
腹痛や腹部膨満、悪心や嘔吐を訴える患者さんがいます。

 

排便をコントロールし、消化されやすい速度で注入することが大切です。