訪問看護師になるための看護マニュアル

在宅持続皮下注入法の在宅でのケア

刺入部位の発赤や硬結、疼痛などに注意しながらケアをしていくことが必要です。
もし、異常がでた時や、患者さんの痛みが強くなってくるようであれば、
無理せず看護師に報告してもらうように伝え、医師に指示を仰いで対処します。

 

@ 刺入部位の観察のしかた

 

刺入部位が見えにくい時には、鏡を使用して観察します。

 

刺入部位に発赤や硬結などの異常があったときには、
抜針や軟膏を塗布するなどの処置が必要になりますから、
主治医に連絡するように指導します。

 

看護師が、家族に針の留置や抜針を指導する場合もあります。

 

刺入部位の発赤や硬結がなければ、一週間に一回、刺入部位を変換します。

 

A 使用機器の管理方法

 

使用機器が確実に作動しているかどうか、薬物が注入されえているかを、
時々確認するように指導します。

 

使用機器が正常に作動していない、薬液が指示通り投与されない、
と言うような場合は、機器や器材の交換も考慮します。
機器や器材を取り扱う医師や施設との連携は常に明確にしておき、
いつでも連絡できる体制をつくっておくことが必要です。

 

B レスキュードーズの使用方法

 

急激に疼痛が憎悪した場合の緊急追加与薬を「レスキュードーズ」といいます。
レスキュードーズは、痛みが増加した場合、薬液漏れが多量にあったときに行います。

 

突発痛や体動時痛の出現予防の目的で、
指定された薬物を頓服として使用することができるように
患者さんや家族などの介護者に指導します。

 

C 薬物の効果

 

疼痛の部位や頻度、程度、種類などを表現するように患者さんに指導します。
そして、薬物使用時の効果をペインスケール(痛みのスケール)などで評価します。

 

<在宅持続皮下注入法の日常生活にかかわる指導>

 

皮下注入に使用する機器はチューブにつなげて携帯します。
ですから、携帯しやすい適度な大きさのバッグなどを使用します。

 

入浴時や外出時などの体動によって痛みが出現しやすいようであれば、
レスキュードーズを事前に実施し、
痛みの出現をカバーしながら活動できるようにします。

 

入浴時は防水加工をしたり、ハリを差し替えて、
一時的に持続注入に使用する機器を外して入浴するように指導します。

在宅持続皮下注入法の緊急時の対応

刺入部位に皮膚障害が出現した時には針を別の部位に再度刺入し、
数日で改善しない場合は医師に相談します。

 

注入ルートの液漏れや閉塞を確認したときには、
主治医に報告をして指示を受けます。

在宅持続皮下注入法に関するその他の事項

在宅で初めて持続皮下注入の患者さんを受け入れる場合など、
看護師も実際の看護や機器の操作について改めて学ぶ場があると良いですね。
持続皮下注入法については、緩和ケア病棟で多く取り扱っているので、
患者さんが現在入院している病棟や、近隣の緩和ケア病棟での研修を検討するなどしましょう。
施設と訪問看護の相互理解や連携を深める良い機会にもなりますし、
患者さんにとっても有意義なことになるはずです。

 

在宅での塩酸モルヒネ持続皮下注入施行中に、
患者さんや家族に代わって薬物の運搬を看護師がすることができるかどうかですが、
原則的には、麻薬処方箋により交付された塩酸モルヒネは、患者さんや家族に直接交付されるものとなっています。
ですが、患者さんや家族の状況によって、当該患者看護に当たる看護師に限って運搬する事も認められています。

 

塩酸モルヒネを持続皮下注入時、患者さんの痛みが強くなってきた場合の対処法は、
まず痛みの種類は程度のアセスメントを行い、
その上で医師に病状を報告して改善策を協議します。
患者さんの痛みが今までの痛みの増強である可能性が高い場合は、
レスキュードーズの使い方、投与量の増量についての具体的な指示を医師から受けます。
ガン末期疼痛管理協定書を使用し、情報を共有する必要があります。