訪問看護師になるための看護マニュアル

在宅酸素療法(HOT)の実施方法

@ 在宅酸素療法の必要物品

 

在宅酸素療法の必要物品は、
酸素供給装置、減圧弁、流量計、酸素チューブ、加湿器(精製水使用)、鼻カニューレもしくは酸素マスクです。

 

眼鏡のフレームに管を取り付けるタイプの、目立ちにくいものもあります。

 

A 在宅酸素療法の実施時に気をつけること

 

在宅酸素療法を実施する時には、医師の指示通りの酸素流量を設定します。
呼吸が苦しい、或いは呼吸が楽になるという理由などで勝手に流量を変更してはいけません。

 

酸素が確実に流れているかどうかを確認することが大切です。
皮膚の敏感な部分に当ててみると、確認しやすいです。

 

酸素が流れていないと感じた時には、
「チューブの屈曲の有無、破損の有無」、「接続部分やコンセントのはずれ」、
「フィルターの目詰り、加湿部分のゆるみ」を点検します。
点検しても原因が分らない場合は使用を中止し、
酸素ボンベに切り替えて業者に連絡をします。

 

加湿部分には適量の精製水を注入し、
水が減ってきたら足しておくように指導をします。
そして、一週間に一度は加湿器の内部までしっかり洗います。

 

室内の温度はポンプの保護や酸素濃度保持のため、
夏期は35℃以下に、冬期は5℃以上に保ちます。

 

酸素供給装置本体や備品の清潔は常に保たなければなりません。
患者さんや患者さんの家族、介護者にも指導をします。
フィルターは一日一回水洗いし、清潔を保ちます。
一週間に一回は液体洗浄剤で十分に洗って陰干しします。
鼻カニューレの汚れは綿棒などで取り除き、
一週間〜二週間に一度は水洗いをして、月に一回は交換します。

 

高濃度の酸素は、少しの火であっても大きな災害を招くことがあります。
火気に十分気をつけて取り扱いをすることが大切です。

 

酸素濃縮装置は火気の危険がない、安全な場所に設置します。

 

(酸素濃縮装置を安全に設置する方法)

 

事故を未然に防止するため、酸素濃縮装置を安全に設置し使用するためには、
同居家族を含めて気をつける必要があります。

 

在宅酸素療法を導入する場合は、医師が委託業者に連絡をして指示をし、
業者から利用者宅に連絡が入って、使用をする際の注意点などの説明がされます。

 

半年に一回は業者に器具の定期点検をしてもらいます。
故障の際などは、緊急連絡が出来るような体制を整えておきます。

 

在宅酸素療法の器具に使用する消耗品についても不足しないよう、
業者と打ち合わせをします。

 

停電した際には、酸素濃縮装置の代わりに酸素ボンベを使用し、
業者に連絡をします。

 

(その他の注意点)
・ 周囲の壁や家具から10cm以上離す。
・ 暖房器具の近くで酸素を使用しない。
・ 火元から酸素源まで2m以上離す。
・ 酸素供給装置は家庭用電源で使用することができますが、
  常にスイッチが入っている状態での使用になるため、タコ足配線は避けます。
・ 酸素の近くで喫煙しない。
・ 静電気を起こすような化学繊維の衣類やリネンを使用しない。
・ 電気毛布を使用しない。
・ 酸素使用中や油やアルコールを含む皮膚保護剤を使用しない。
・ 酸素療法に使用する器具を強くこすって摩擦を起こしたり装置を磨かない。
・ 電磁調理器を使うなどの工夫をする。