訪問看護師になるための看護マニュアル

清潔の援助

人工呼吸器を装着している患者さんは、易感染状態にあります。
ですから、日常生活の援助では、特に清潔ケアを積極的に行うことが大切です。

 

介護者が一人の場合は、
人工呼吸器が外れるなどのトラブルが起きたときに、
患者さんや家族の負担も大きくなります。
ですから、陰部の洗浄や、手・足浴のみなど、
部分的なケアを行うようにします。
そして、スケジュールを調整し、訪問看護や訪問ヘルパーを利用し、
全身清拭や洗髪・足浴などを行うようにすると良いでしょう。

 

清拭の手順や方法、必要な物品などは前もって用意しておき、
スムーズに実施できるようにします。

入浴の援助

気管切開をして人工呼吸器を装着した患者さんの入浴は、
ストレッチャーやリフトバス(特殊浴槽)を使った入浴サービスを導入します。

 

人工呼吸器を外すことは、患者さんに恐怖心を与えます。
気管カニューレにバッグバルブマスクを装着した呼吸法について十分説明し、
安心して入浴できる環境づくりが必要です。

 

入浴中であっても吸引が必要になる場合があるので、
必ず吸引器を準備しておきます。

 

患者さんや家族などの介護者に、
バッグバルブマスクの使い方や入浴介助の方法を指導します。

コミュニケーションの援助

気管切開を行った患者さんは、発声によるコミュニケーション能力を失います。

 

介護者は、カードや文字盤、パソコンを活用し、
患者さんとのコミュニケーションを図ることができるように援助することが大切です。

精神面への配慮

人工呼吸器を装着している患者さんは、
孤独感や拘束感、不快感などから無力感に至りがちです。
精神的に不安が大きくなり、ストレス状態になる人も少なくありません。

 

ラジオや好みの音楽、罨法、マッサージなどを取り入れ、
聴覚や触覚を活用した適切な刺激を提供し、
情緒的な楽しみを得ることができるように工夫をします。

 

また、少しでも生活に変化をつけることができるよう、
外出を勧めます。
近所の散歩程度であれば、
リクライニング用車椅子やバッグバルブマスクを使いながら出かけることができます。
ですが、遠出になる場合は、ポータブルの人工呼吸器を使用することが必要です。

人工呼吸器を装着して出かける場合の準備

内部バッテリーで2時間ほど使えます。
ですが、機種によって作動時間が異なりますし、
万が一の時に備え、外部バッテリーの準備もしておきます。

 

リクライニング用車椅子の後部にポータブル人工呼吸器と、
吸引のための必要物品を準備しておきます。

 

必要時、携帯型バルスオキシメータやバッグバルブマスクを準備します。

 

長時間外出する時には、外出先で電源が取れるかどうかを確認するなど下準備をしておくことが必要です。